ジンについて
ジンとは
ジンは、ジュニパーベリー(杜松子)を主な香り付けに使用した蒸留酒です。その特徴的な風味は、さまざまなボタニカル(植物由来の原料)を加えることで多様性を持ちます。
その起源は16世紀のオランダにさかのぼり、もともとは薬用酒として開発されました。「ジェネヴァ」と呼ばれるこの酒は、兵士たちの士気を高める目的でも使用され、戦場での通称「ダッチ・カレッジ(オランダの勇気)」として知られるようになりました。
その後、17世紀にイギリスに伝わり、蒸留技術の発展とともに急速に普及しました。特に18世紀には「ジン・クレイズ(ジン狂乱)」と呼ばれる社会現象が発生するほどの人気を博し、多くの人々に親しまれるようになりました。
現在でも、世界中のバーや家庭で楽しまれており、クラシックなカクテルのベースとしても広く使用されています。
ジンの製造方法
ジンの製造プロセスは以下の通りです:
- ベースとなる中性的な蒸留酒(通常は穀物由来)を準備
- ジュニパーベリーを中心に、ボタニカルをブレンド
- 再蒸留を行い、香りと味わいを抽出
- アルコール度数を調整し、品質を均一化
- 瓶詰めして出荷、商品として市場へ
製造方法には、ポットスチル方式、カラムスチル方式、または両方を組み合わせた方法があり、それぞれ風味の違いを生み出します。また、ジンの種類によってボタニカルの選定や製造工程が異なります。
ジンの種類
ジンにはさまざまな種類があり、それぞれ独自の特徴を持っています。
- ロンドン・ドライ・ジン
最も代表的なスタイルで、ドライな味わいとジュニパーベリーの香りが特徴。添加物が一切禁止されており、純粋な風味が楽しめます。
- プリマス・ジン
イギリス・プリマスでのみ生産されるジンで、やや甘みがあり、フレッシュな風味が特徴。
- オールド・トム・ジン
砂糖が加えられた甘口のジンで、クラシックカクテルに適しています。
- ネイビー・ストレングス・ジン
アルコール度数が57%以上と高く、パンチのある味わいが特徴。
- ニューウェスタン・ジン
現代的なスタイルで、ジュニパー以外のボタニカルを強調。
人気のジンカクテル
ジンを使った代表的なカクテルをご紹介します。
- ジン・トニック: シンプルながらも爽快なカクテル
- マティーニ: ジンとベルモットの洗練された組み合わせ
- ネグローニ: ビターな味わいが魅力
- ギムレット: ジンとライムジュースのバランスが絶妙
- トム・コリンズ: 爽やかな酸味と甘みが特徴